第二十ニ歩目

 
 雨や曇りの日の夜空は明るく見える。

 くすんだ色なのにその裏には光があるようで、手を伸ばしてその光が見たくなる。

 でも、雲を退かしたらそこには暗い夜空しかない。
星々はまだずっと遠くで煌めいていたとしても、想像しその手に掴むことさえできる。
 
 雲一つない夜こそ夜空は暗く遠くに感じる。
星々はやはりずっと遠くで煌めいているのを目にできる。

 くすんで何も見えない時こそ、光は感じることができる。
 透き通る闇に光は映えるけれど、届かないものだと実感させられてしまう。